daishiroの日記

インターネットのお仕事とかインターネットのカルチャーとか

セミナーレポート:第15回WebSig会議「WEBサイト構築のためのプロジェクトマネジメントスキル」

第15回WebSig会議「WEBサイト構築のためのプロジェクトマネジメントスキル」に参加しました。
前半はNRIネットワークコミュニケーションズ松岡さん、後半はビジネスアーキテクツ森田さんの講演形式。グループワークが無いWebSigって久々な気がする。

前半:松岡さんのお話はPMの基本に沿ったお話。
「リスクとチャンスのトレードオフ」って話は、PMBOKだと両方『リスク』の範疇なのでは?と、最近読み始めた本の中で、丁度その辺の感覚的な理解が出来てない感じなので気になった。「ヒト,モノ,カネ」の管理とか「品質,コスト,納期」のバランスとか当たり前のことなんだけど、あの場で改めて説明して頂けたのはありがたい。最後の、「マーケティングデータを信用するな」というのは、ある程度ルーチンワーク化しつつ、クリエイティブな領域をどう残すか試行錯誤している現状には、ちょっとハッとさせられるご意見でした。

後半:森田さんの話は例によってというか、とてもbAに特化していた感が。
気になった項目を箇条書きで。

  • スケジュール作成はプロジェクトデザイン⇒クリエイティブな作業
  • 「案件を作る」能力
  • 管理・統括⇒プロジェクトマネジャー(PM)
  • 指導・監督⇒プロジェクトリーダー(PL)
  • 制作上がりだとPM→PLになりやすいが、いきなりPMの人はPLまでの間に越えられない壁がある。営業企画やIAなどを間に挟むのも一つのステップ
  • 全体視点を持つ。隣のプロジェクトも成功させて真のPM
  • 複数プロジェクトをまわす
  • クリエイティブワークは通常の進捗管理は出来ない

個人的には、「プロジェクトリーダーが指導・監督」よりも、松岡さんがおっしゃってた「PMと専門家が協力」派です。あとは『Web標準の日々』でも話に上がったスキルマップ略してスマップ(200項目!!)に興味津々。

全体的な感想として、質疑応答で議論になった、

  • 制作経験の無い人が制作のマネジメントできるのか?
  • デザイナーの次のステップがPMなのか?

といったことは、ディレクターにもそのまま言えることだと思う。個人的な経歴としては、最初からプロデューサー/ディレクターを志向していて、且つ制作も一通りかじったのは非常に良かったかなと思っている。ただ、メーカーで企画→開発→生産管理→修理,ユーザーサポートを全部やって、最終的には何か不具合あったら必ず対応に関わるポジションになったことがあったから、Web制作でも色々応用が利いてる所があると思うので、例えば、新卒のディレクターをどう育てるかとかは非常に難しいところかと(丁度職場でそれに近い状態なので試行錯誤中)
この辺は、Web Site Expert #14の「Webディレクター,かくあるべき」(後半がWebで公開されてます)ともリンクしてるかな。
あとは、セミナー内では議論にならなかったけど、QCDとかヒトモノカネとかは出来るだけ早い段階で制作の人にも理解してもらった方が良いと思ってます。 (PhotoShopと一緒に損益計算書の見方を教えるくらいで良いかも)

  • 企業の目的はお金儲け
  • お金儲けには「収入を増やす」or「支出を減らす」しかない
  • Web制作では支出のほとんどが人件費(=自分の作業時間)

を理解して「お仕事」してもらうだけで変わってくる所がたくさんあると思うし、そういった事がわからずにクライアント企業のお金儲けの力になれるはずが無いと思うのです(この辺はデジハリプロデューサーコースのおかげで身についたんだよなぁ)