daishiroの日記

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セミナーレポート:「dux07」報告会

「dux07」報告会に参加してきました。

dux07」の報告の前に、「UX Week 2007」の報告もあり、その途中から参加できました。以下、紹介のあったセッションやイベントの所感について、気になったところをピックアップ。

UX Week 2007

『Generative Tool』という、ユーザがデザインに参加する度合いを増やすために、写真や矢印などの素材を基にユーザに何かを作ってもらって 意図をより深く読み取ろうとする手法の紹介では、「自由度が高すぎるときっかけが掴めない」「モデレータの準備次第」「結果の解釈の仕方次第」「如何に真意を読み取るか?」ということで、属人的になるという話が上がっていたのが印象的。

『UXデザイナーを雇うときのポイント』の話があったとの事で、「欧米ではUXデザイナーという職種がある程度確立されている(IA+ディレクター+リサーチャー的なポジション)」というのが文化の違いというか何というか。後半でもちょっと話に上がったんですが、費用対効果出しにくい分野だと思うんで、その辺での成果物の見せ方等に興味津々。

dux07当日配布された資料が公開されてます

色々な発表のお話しがあったけど、大学の研究発表的なものが多く、心惹かれるものがあまり無い印象。

YahooのZyncというメッセンジャーのウィンドウの中で動画が再生でき、チャット相手と共有できるプラグインは、「YouTube観ながらチャットは出来るし、動画の使い方ではニコニコ動画のほうが上だけど、IMと動画再生ツールがパッケージングされたこと自体に意味がある」というお話にはとても納得。まとめてもらえるだけで使用頻度が上がる感覚は非常に良くわかる。

「冷蔵庫のデザインにUCDを適用」という発表については、「適切なサイズや機能を検討した」とのことで、「既に日本では一般的な発想だよね」とも思って詳細を聞いてみたんだけど、「アメリカだとデカイ冷蔵庫が標準的な上に、そもそも家についてくるから『買い換える』って発想が無い」ってお話を伺えて納得。そこから派生して「うちの冷蔵庫のプチ自慢大会」みたいになり、楽しそうにお話されてるのを見ていて、「実はこうやって喜んでもらえるモノづくりがUCDとかの目指すところなのかなぁ」と思ったり、家庭がある人たちに軽く嫉妬してみたり。

VR関連のセッションもあり、「Second Lifeはカンファレンスに使うと集まってる感、参加者の存在感が出せるし、コミットメントを高められる」という話があったとの事(「でも商売には向いてない」ってリンデンラボの人が言ってたらしい、、、)Second Lifeのセミナー行ったときに「Second Lifeやってますよな人たち」がSLで参加してたんですが、そのときの感覚だと「メタバーズを楽しむ」事が主になっていた気がして、コミュニケーションツールの一つとして、例えばTV会議の代替として検討するとかにはもうちょっと時間がかかるのかな?

「IA、エスノグラフィといった単語は普通に聞かれる状況」との事。・・・エスノグラフィって何ですか? 

最後のディスカッションでは、「UXの定義」「UXとユーザビリティーとの守備範囲の違いや包含関係」といった『UXとしてやること』の話と「日本でもduxみたいな各ジャンルを横断する会を開きたいよね」「そうなると、この報告会みたいな場に広告業界の人にも来て欲しい」という啓蒙活動的な話がメインだったかと。個人的には「IA」「HCD」「UX」などの名称がついてる領域は非常に興味があり、今後業務として関わっていきたい所なんですが、正直、言葉の定義とか業務範囲についていけない感が出てきているのも事実。ひとまずは、日々の業務にこういった要素をちょっとずつ取り込んでいくのを引き続きかなと。